メディアアート卒業生による海外放流紀5~ドイツドッセルドルフ前編~

前回までケルンに滞在していましたが今回はドュッセルドルフのお話です。  



ドュッセルドルフとケルンは近く、電車で約20分くらいのところにあります。



ドュッセルドルフは日系企業が多くヨーロッパでも随一の日本人街で、道を歩いていると至る所に日本語の看板を目にします。(写真1)(写真2)





久しく日本語を見ていなかったので凄く懐かしい気分になりました。少し日本に対してホームシックになりかけていたので日本語を見るだけでずいぶんと心が洗われたものです。



途中、日本人向けの本屋に立ち寄りました。今まで電車の中の暇つぶしと言えば備え付けの新聞や誰かが忘れた雑誌で、勿論英語はおろかドイツ語しか書いてありませんので内容は全く頭に入ってきません。しかしそれでも意味も分からない文字を読んでいるだけでも暇つぶしになります。



本屋に入るとまるでそこらへんにあるような内装でここがドイツとは忘れてしまう程です。(写真3)




客はほとんどおらず閑散としていました。



レジには若い女性と中年男性が仕事をしており、中年男性がまだ入りたてなのかしきりに若い女性店員に怒られていました。



その若干怒りが混じった言葉でさえ心地よい安心感を覚えました。



僕はあまり本…特に新刊の書籍には詳しくありませんがやはりここはドイツ。少し前に流行った書籍が最新刊扱いにされていました。



そのタイムラグに加えて本の値段がもの凄く高い。



日本で買えば560円のところドイツではなんと日本円で約1200円。倍以上です。



本なんて日本であればどこでも同じ値段なのでこれには少々面を食らいました。



しかし、これから一ヶ月以上海外に滞在する訳ですし毎回現地の新聞、雑誌を目に通すだけでは流石に苦痛なので意を決して二冊買いました。



ごくごく一般的な文庫が二冊で約2250円。(写真4)




レジに持って行くと何千、何万回と繰り返されたマニュアル的な儀式を行います。



お金を支払って本屋を出るとそこは異国の地に突然迷い込んだ感覚に襲われました。



いや異国の地はこの本屋です。ここドュッセルドルフからしてみれば。



この当たり前にしていた、見慣れたことがこれだけノスタルジーな感情に襲われるのはまさに海外旅行ならではの感覚でしょう。



ドイツに行きたい、しかし日本が恋しくなるかもしれないって人は是非ドュッセルドルフに行ってみてはどうでしょうか。



もちろんここドュッセルドルフには素晴らしい現代美術館もあります。



そちらの方は次回書いていきたいと思います。

植田祟裕 (2011年メディアアート卒業)


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