CIRCULATION 5
2013.07.15(月) – 07.19(金) 12:00 – 18:00
芸術学部造形学科 メディアアート分野 + 短期大学部美術学科 現代アート領域
共通カリキュラム「再制作」
藤本 由紀夫 <ROOM>
2001年 電子キーボード サイズ可変
会場に吊り下げられた複数の電子キーボードは和音が鳴り続けるよう、鍵盤がひもで固定されている。和音は1台ごとに違い、会場には音のうねりが鳴り響く。
音響が生み出す空間に鑑賞者の発する咳や足音などのノイズが加わり、作品と鑑賞者の間に関係性が生まれ、彼の作品は完成するのである。
中山 ダイスケ <STRINGS>
1993年 弓矢 3200 X 3300 X 2700 mm
中山ダイスケの初期の作品は、トラバサミや、鋭利な棘のついた金属等、見るものに精神的圧迫感を与えるような作品が多数を占めています。この作品もその一つで、弓につがえられた矢は全て外側を向いており、先端につけられた鏃は金属特有の鈍い光を放っていて、何かあれば只では済まないという雰囲気が漂っています。
日比野克彦 <白い塊のキャタピラ>
1990年 ダンボール,紐 300×400× 1800mm
現代美術家の日比野克は、段ボールをガムテープで張り合わせた立体作品や、黄ばんだ色に着彩された段ボールの平面作品などで知られている。本作品は1990年の大阪での個展「YELLOW CARD」に出品された作品で、クレーン車のキャタピラ部分を再現したもの。履板の一枚一枚はダンボールで作られ、紐で縫われている。
ダミアン・ハースト <Spot painting>
1994年 キャンバス,絵の具,木版など サイズ可変
このシリーズの個々の作品タイトルは、錠剤名を表していると言われるが、作家自身は明言していない。非常にシンプルで、制作に特別な技術は必要とせず、作品のほとんどは作家の手で作られたものではない。鮮やかな複数の点は、平面上で規則的に並び、お互いに関係し合っている。ポップな緊張感が皮肉な微笑を思わせる。
カール・アンドレ <PYRAMID>
1959年 東洋松 1750×790×790㎜
《Pyramid Series》でアンドレは、木材商から直接購入した長い木材を使用して、一つ一つにラジアル鋸盤で切れ目を入れ、伝統的な接合技術を駆使してユニットの接合を行った。この作品は、直角に交差する74個の小さな梁によって作られている。梁は作品の構造上の役割に応じて徐々に長さが変化していく。
※ ジェイムズ・マイヤー『ミニマリズム』ファイドン株式会社
ニルス・ウド <Brookbed,Bindweed Blossoms>
1990年 写真 760×1000mm
自然の中で自然物を使い、最大限にその美しさや自然への敬意を引き出す作者の世界には、生命の儚さ、息苦しさがある。
この小川に浮く花弁の寝床の煌めきも、明日には消えてなくなってしまうだろう。
研心館1階 メディアアートアトリエ room2
内藤 礼 <死者のための枕>
1997年 シルクオーガンジー 63×48×27mm
作者はフランクフルトのカルメル会修道院で、カルメル会の歴史と聖書の中の修道会に関わる場面が描かれた壁画に出会った。そこには会の人々が異教徒に迫害される残虐な場面が描かれ、作者はその壁画の中に死者の実在を感じた。そして自分以外の他者がいることを思い出すために、死者たちの為の枕を作った。
ダグ・エイケン <Altered Earth>
2012年 映像 サイズ可変
自然が織り成す風景、人間によって作り出された技術、この両者の狭間を見ようとすることで、この先の時代にあるものを感じとろうとする作品です。複数の映像を壁に投影することによって作られた迫力ある空間をお楽しみください。