2012大地の芸術祭(新潟越後妻有)合宿レポート


レインボーハウス

私は、新潟の合宿に行って、関口恒男さんの越後妻有レインボーハット2012が印象に残りました。

初めてこの作品を外から見た時はデコボコしていてテントのように見え、何かの遊具かな?大きいなと感じました。

中に入ると、真ん中が吹き抜けになっており、イメージはアフリカ等の民族的な空間のようでした。真ん中に複数の大きなすり鉢があり、その中に水と三角形の鏡が入っていました。

それに太陽光が反射して壁に虹が浮き上がって虹が綺麗だと感じました。

すり鉢には手を入れることが可能で、手を入れた事によって水が揺れて波紋が現れ光で反射した壁の虹も動きとても面白かったです。

また、周りの壁にいくつかヘッドフォンがぶら下げられており中からは民族音楽のような軽快でリズムの良い音楽が流れていました。

普段、空に映った虹しか見ないので近くで虹を見るのは面白かったです。

他の鑑賞者の方々もすり鉢の水に触ってみたり、虹の映った壁を興味深く触ったりとても楽しそうでした。

すり鉢の水の動かし方や時間、天気で虹の動きや色の濃さが違うので飽きのこない面白い作品だと思いました。メディアデザイン 3回生 遠藤 梨穂


「今度生まれて来る時も、また」(本多裕紀さん)



大地の芸術祭に参加したら絶対に見ようと思っていたのがこの本多裕紀さんの「今度生まれてくる時も、また」で時間がなくてじっくり見る事が出来なかったのが残念ですが、蓮の花を水面下から見るという幻想的な空間に心ときめき、まるで蓮の花になったようなそんな気持ちになりました。水面下から頭上にある「理想の世界」を見上げ、階段を登りながら近づいていくことができ、階段を上り下りする事により細い蓮の茎が振動で揺れゆるやかな水の中にいるような、そこだけ違う空間の様に感じました。今自分がしようとしている「空想の世界」と似ている気がして深く感銘を受けました。

大地の芸術祭では美術館では見る事の出来ない芸術作品を沢山見る事触れる事が出来て本当に良かったです。

合宿は先輩のおかげでとても楽しむ事が出来ましたし、同級生と

お泊まりする事もあまりなかったので、良い経験になったと思います。とても個人的な感想なのですが向こうで食べたお料理とも美味しかったのですが「おかず塩辛ッ!」と思いました。関西人はやはり甘辛い方が好きです。

メディアデザイン 3回生 山下七海



「キョロロのTin-Kin-Pin〓音の泉」庄野 泰子さん

今回行った越後妻有アートトリエンナーレは作品数が多く、沢山作品を見ようと忙しなく動き回ったことが印象に残りました。しかしそのおかげで色々な作品に出会うことができました。

私の中で印象に残った作品は「森の学校」キョロロの中にある、庄野 泰子さんの「キョロロのTin-Kin-Pin〓音の泉」という作品です。建物内に常設する形で置かれているこの作品は、いわゆる水琴窟と同じ原理のもので、空洞の中に水滴を落下させ、その際に発せられる音を反響させる仕掛けを使った作品です。繊細な水の音がとても綺麗でした。また装置が置かれている床の部分から赤い光が灯されていたのが印象的でした。この作品は塔の下にあるのですが、階段の途中から下を見下ろすと、下から作品を見た時とはまた違ったものに見えました。今回沢山の作品を鑑賞することが出来て、自分にとっては良い刺激になったと思います。

機会があれば、今回見ることが出来なかった作品を見に行きたいです。あと、越後はご飯が美味しかったです…
メディアアート4回生 山藤  真以子



広大なエリアの中に無数のアート作品が散りばめられており2泊3日では不十分すぎる作品数。その限られた時間に見れた作品も膨大なので最も気に入った1作をレポートさせていただきます。

クリスチャン・ポルタンスキー+ジャン・カルマン 「最期の教室」
 天井からぶら下がる大量の電球、それを揺らす大量の扇風機、壁全体を埋め尽くす砂嵐の映像、部屋全体に響き渡る雑音、床一面に敷き詰められた藁。不思議な浮遊感に包まれるこの空間はまるで宇宙を漂っているような不思議な感覚に陥り何時間でもボーッとしてられる。その空間を抜けると長い廊下がある。廊下の反対側にはゆっくり回る大きなファンとその隙間からこもれる強い光。その廊下を前進するだけで映画のワンシーンに飛び込んだような気持ちになる。ワンフロア上がるとそこは理科室、一つの電球が心音に合わせて点滅している。不安定な中にある安心感、電子ドラックでトリップしたような感覚に陥る。別の部屋と廊下には真っ黒な額縁とそれに映り込む電球、過去そこに居た人たち肖像のように存在を訴える。最後のフロアに移るとそこにはアクリルの箱と大量の蛍光灯と白い布、白熱灯の電球と違って青白い空間が広がる。まるで死体安置所。その箱に入るのは人ではなく思い出だけなのか。しかしそれは空間に存在しても怨霊のようで見える人にしか見えない。でもあることだけはだれにでもわかる。そこに引き込まれるのだろう。メディアアート4回生 宮谷豊明

校舎にいくつかのインスタレーションがありましたが、一番写真のインスタレーションに惹かれました。棺桶の用に見えました。学校という墓場、いじめ等の自殺者の魂に感じました。
偶然かもしれませんが、消えている電灯が一つありました。魂としても存在を無くしてしまった、無を感じました。メディアアート4回生 園佳代子



新潟の大地の芸術祭はトリエンナーレという事もあるのか、多くの質の高い作品群が展示されていた。それらのほとんどは初めて見る作品で、

着いて早々胸の高鳴りを感じた。
自分が個人的に興味深いインスタレーション作品が目立ち、しかもそれらの大半は周りの自然に溶け込むように配置されていて、見て回る度に作品の世界観が変わるのがとても面白かった。
その中でも印象に残ったのはジェームズ・タレルの「光の館」であった。彼の建物を媒体としたこの作品は自分で体験できる機会がなかなかないので、もともと楽しみにしていた。正面から「光の館」を見た時は完全なシンメトリーになっているのかと思ったが、実際はそうではなかった。外装だけでなく、中の構造や内装も初めはシンメトリーかと思うものの、よく見るとわずかに変化があり美しいバランスのアシンメトリーが作り上げられていて、彼のこだわりやセンスが溢れ出ているように感じた。部屋そのものは風が吹き抜けているものの、ごく一般的な和室であった。
いよいよその時である。私は畳に寝そべり上を見上げた。
屋根が開き、部屋の天井から四角く切り取られた空が覗き込む。澄み渡った青空の一部分に雲が漂っている。それは自分が知っている空よりも平面的に見え、まるで流動する絵画を鑑賞するようであった。時間はゆっくりとしていて風も穏やかで、叶うのならばそこでじっと見上げていたいほどであった。
一日通して時間による空の表情の変化が見られなかったのが心残りである。
またこの「光の館」が普段は宿泊施設として利用できるようにしている点がとても気に入っている。自分も一度宿泊してみたい。
メディアアート2回生 福井考騎


真っ先に浮かぶのが、自然がきれいだったということです。整然と広がる棚田や山の深い緑、空の青、星空・・。それを感じながらみんなで歩いている中に、作品が点在していました。

どの作品も、良い意味でそのもの単体で見れるものではなくて、環境とものとが支えあって作品があるのを感じました。

自然は勿論ですが、作家と地元の方とのふれあいや、時間のようなものを感じて、ぐっときました。

作家も作品を作っていく中で、この美しい自然や人に魅せられたんだろうというのが感じられて、とても幸せな気持ちになりました。

これらの作品に会いにいけ たことがとても嬉しかったです。
メディアアート4回生 荒坂沙織




レポート, 作品紹介