皆さんこんにちわ。13年卒の山本です。今回あいちトリエンナーレに行ってきたのでそちらを紹介したいとおもいます。
あいちトリエンナーレ。ご存知3年に一度名古屋で行われる芸術祭です。今回のテーマは『揺れる大地 我々はどこに立っているのか』というものです。東日本大震災を受けての作品がいくつかありました。
・原発の写真をいくつか展示したもの(ミッチ・エプスタイン)
・震災時に使われたダンボールの壁の再現 及び映像作品(アーノウト・ミック)
・震災の記録写真《リアスアーク美術館》
また重力に逆らったような立ち方をする男性の写真(フィリップ・ラメット)には『我々はどこに立っているのか』という副題に対する答えを感じられた。
画像作品は紙で作ったビル群を天井から吊るして展示している作品。不安定感を表していた。
今回の展覧会で気に入った作品をいくつか。(いくつか写真がないのは撮影禁止故ご容赦ください。また写真のみの作品もあります)
ソン・ドンという作家の《貧者の知恵:借権園》は作者の記憶や思い出の品々で構成されたインスタレーション作品がある。広い部屋の中に棚や机や椅子、古木やキャンバスが配置され、作者の記憶を形成している部分にはもしかしたらどこか自分にも合い通じるところがあるかもしれない。そういった調子であちこち探してみた。地味なもので配置されているが使い古されたものをみると昔を懐かしむ気持ちでどこか落ち着くこともできた。
フロリアン・スロタワの《Museums-Sprints》は美術館の入り口からゴールまでを走り抜ける映像作品であった。誰もいない美術館をマラソンの格好の作者が、タイムを計って走りぬける。それだけだが妙にはまるものであった。美術館は走らないというものを堂々と破っているものだから何かしてやったという感覚に落ちて妙に楽しい。
オノヨーコの《光の家の部分》は暗室の天井に万華鏡を投影させたような作品である。文字通りそのまんまであるが、これがただただ綺麗なもので見ていて楽しい。周りの観客も概ね満足だった(こういう現状をみると一般の人からするとこういうものの方が受けはいいのだろうかとも思う)
コーネリア・パーカーの《無限カノン》はトランペットなどの金管楽器を押しつぶしたものたちを円形に吊るし上げ、そのサークルの中心の光源から壁に吊るされたものの影が映る作品である。この作品、吊るされたものがゆらゆら揺れていて、それに連動して壁の影も微妙に揺れていて個人的に気に入った。つぶされたトランペットも光を浴びて結構きれいなもので、こちらも観客から結構受けていた。(余談だがこれを見て人が首をつるってこんな感じなんだろうなとも思った)
この作品は自転車の車輪がかまくらのようで気に入った。
最後に一番のお気に入りは名和晃平《PixCell》。広い暗室の中に白い塊がある作品だ。高さが3mくらいはあっただろうその山々が連なったダイナミックさ。かと思うと 白い小さな泡のような形状が無数集まって形成されたそれらは常にどこかで「ぷくぷく」と音を立てて変化している。他の作品で綺麗綺麗と表現してきたが、この作品は美しさと神秘性が併せ持っている作品だ。
以上であいちトリエンナーレをまとめますと、
・今回は震災作品が多い
・インスタレーションや映像作品が多い
・規模の大きい作品がいい!
以上です。山本哲也