2015 年10 月19 日(月) – 10 月31 日(土)
旧嵯峨御所大本山大覚寺
出品作家
松本泰章 http://towata-matsumoto.net/
砥綿正之 http://towata-matsumoto.net/
softpad http://softpad.jp/
人長果月 http://www.hitoosa.jp/
展覧会趣旨
現在の京都文化の基を築かれた由緒ある地である大覚寺の寺内において、
現代芸術の最先端の表現を展示し、一般の人々はもちろん、国内外の芸術や文化に関わる多くの人々に、
新たな表現の可能性を提供することを目指しています。
展覧会概要
この企画展は2009 年に第1回を開催し、2011 年の第2回展ではフランスから著名な作家をお招きし、
2013 年には京都市立大学名誉教授の野村仁氏を招いて開催することが出来ました。
今回は、京都を中心に活躍するアーティストを招いて開催を予定しています。
松本泰章と砥綿正之はパナソニッックの技術者と共同して4K 映像での映像作品を予定しています。
また人長果月は、センサー技術を用いたインタラクティブな作品を準備しています。
京都を中心に世界的に活躍するアーティスト/ デザインユニットのsoftpad は、
寺内の環境を生かしインスタレーション、パフォーマンス、 サウンド、デザイン分野など
様々なジャンルを超えた表現活動を構想しています。
http://www.out-of-place.net/
主催 京都嵯峨芸術大学芸術学部造形学科メディアアート研究室
協力 京都市立芸術大学
成安造形大学
名古屋芸術大学デザイン学部
中京大学工学研究科
旧嵯峨御所大本山大覚寺
企画 京都嵯峨芸術大学芸術学部造形学科メディアアート研究室
問い合わせ
京都嵯峨芸術大学芸術学部造形学科メディアアート分野研究室
075-864-7858 内線2417
e-mail : ya-matsumoto@kyoto-saga.ac.jp
◎砥綿 松本
forbidden colours
4K triptych映像作品 5min.
15年前、大沢池は増えすぎた藻を減らすために放たれた外来魚の草魚によって、藻はおろか、全く水草のない池になっていました。かつての自然豊かな景観を取り戻すため、京都嵯峨芸術大学の真板教授を中心とする景観修復プロジェクトが組織され、学生達の努力により徐々に水草が戻り、かつての景観が蘇りました。
その時、一つの驚く贈り物がありました。絶滅したと思われた古代蓮が再び咲いたのでした。自然は、ささやかな人の行いにも、その豊かな懐から美しい返答を返してくれました。
今夏は、記録的な酷暑に見舞われた中での撮影になりましたが、40°に迫ろうとする気温の中でも凛として咲き誇る蓮の花達は微風の中に揺れながら神々しい姿を私達に見せてくれました。
制作にあたり、パナソニック株式会社様の協力によって4Kでの撮影と展示をすることが出来ました。
ここに記して感謝いたします。
自然の中に秘められた美しい色彩を体験していただければ幸いです。
luna
universe
大覚寺の環境を取り込んだ2作品「luna」と「universe」。
光と風の変化が揺らぎをもたらし、作品の表情が変化する。
大覚寺で行われる「観月」と「般若心経」をテーマに、
遠/近景の間を移動しながら体験してもらう作品。
note
音楽用CDには、44.1KHzで音楽データが収められている。
このデータは、デジタル環境において「1/44100秒」を
「1サンプル(1単位)」として置き換えられ表現されている。
見えない音は、デジタルな環境において可視化されるのである。
「note」は、音を視覚的な文字に変換し、紙の「1枚」を
「1サンプル」として時間軸で表現された作品である。
注)「note」の写真をご使用の際はフォトクレジットとして「Nobutada Omote」とご記載ください。
Voyant ―Tsuru
インタラクティブビデオ
2015
拝観者は鶴の間の鶴達を見て楽しむけれども、
鶴達も人をよく見ていますよ、という意味を込めます。
これは岡山で鶴を撮影した時に、全然違う方向を見ていても、
近づくとすぐに逃げて行ったので、厳しい自然の中で過ごす者たちは
やはり周囲をよく見ているのだなあと、単純に感心させられたからです。
自分の成すべきことは、周りをよく見ることで自ずと見えて来るのではないかと教えられます。
タイトルのvoyant は詩人のランボーが友人に宛てた手紙の中に書いている一言からです。
「詩人は見者たらねばならぬ」Il faut être voyant.